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リフォームで冬を暖かくするコツ【壁】:大阪のマンションリフォーム相談室

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【こだわりのリフォームで暮らしを豊かに】
2017/12/08
大阪のマンションリフォーム・リノベーション お役立ちコラム
マンションはあたたかいと思っていたのに、実際住んでみると意外と寒い・・・というお声を頂き、マンションリフォームをした際に、断熱リフォームもあわせて行いました。

お悩みだった寒さの原因は断熱性の低さ。

鉄筋コンクリート造のマンションは断熱性が高いと勘違いしていませんか?
コンクリートには断熱性はほとんどありません。

マンションは上下左右が隣人の部屋に囲まれている場合が多いので、暖かくなっているだけです。そのため、マンション最上階の角部屋というのは結構寒さが厳しかったりします。

最近の分譲マンションは断熱対策をしっかりしていますが、中古マンションでは断熱性能が低めの所も多くあります。

マンションの室内は一戸建てにくらべ外気に触れる面積が小さいため、きちんと断熱対策をすると、住まいの環境がぐっと向上し、快適に過ごすことができます。

断熱性能が低いと様々な点でデメリットがあります。

健康面では、暖房をしている部屋から温度差のある廊下やトイレ、浴室などに行くとき、冷気でヒヤッとして、ヒートショック(急激な温度変化による血圧上昇等の体に及ぼす影響)を起こしやすくなります。

浴室でヒートショックが原因で、心筋梗塞や脳梗塞を起こしてお亡くなりになられる方は、なんと交通事故の3倍と言われています。

断熱性能が低いと空調が効きにくいため、冷暖房費も上がります。
そして、結露やカビ・ダニの発生なども断熱性が低いために起きる症状です。

機器や内装の変更など目に見える部分はリフォーム後でも出来ますが、断熱対策などはスケルトンリフォームの時などしかできません。
大切なのは温熱環境を一定に保つように、マンションの専有部分全体の断熱リフォームをする事です。

断熱材を施工してコンクリートからの熱を室内に伝えないようにしましょう。

リフォームで冬を暖かく

断熱には【内断熱】と【外張り断熱】がありますが、マンションではコンクリートの外側に断熱材を施工する外張り断熱は共有部分の範囲となるため個人ではリフォームできません。

そこで、専有部分の断熱リフォームとしては室内側に断熱材を施工する方法をとります。
この断熱方法には大きく分けて『乾式断熱』と『湿式断熱』があります。

【乾式断熱とは?】
コンクリート壁に下地を作り、そこにグラスウール またはボード状の断熱材を施工します。
断熱材自体が工場生産された成形品であるのでこう呼ばれています。

断熱材:グラスウール

・長所
取り扱いがしやすい工法です。
・短所
施工時に隙間ができやすいため、入念な工事が必要です。

この欠点を補うには、二重張りをすることで気密性を向上させることになりますが、壁の厚みが増してしまいます。

【湿式断熱とは?】
現場で発泡させた泡のような断熱材(ウレタン等)を下地の間に吹き付ける方法です。

ウレタン吹き付け

・長所
現場発泡のため隙間のない断熱層が形成できます。
・短所
取り扱いが難しく専門業者でないと施工できません。
施工時に近隣にコンプレッサーを積んだトラックの駐車スペースと、トラックから現場までのホースの配線経路が必要な事や、高層階の場合は断熱材を圧送できないなど、近隣状況や物件の階数などの制限があります。

【素材の特性を生かした断熱】

上記のような断熱材を施工する以外にも、素材の特性をいかして断熱リフォームをする方法があります。

例えば【木毛セメント板】
木毛セメント板とは、リボン状に細長く削り出した木材をセメントペーストで圧縮成型した建材で、高い断熱性を持ち、火災時に有毒なガスが発生しない準不燃材でもある安全で優れた断熱材です。

木毛セメント板

このリフォームでは、窓廻りの壁面に木毛セメント板を張り付け、断熱リフォームをしました。

詳しくは【大阪のマンションリフォーム:光をデザインする住宅】をご覧ください。

木毛セメント板には断熱性だけでなく、調湿作用吸音性もあります。
昔から呼吸する建材と言われ、湿度が高い時には吸湿し、湿度が低い時には放湿して、部屋の湿度環境を整える性能があると言われています。

吸音性としては、厚みや表面の加工を変えたり、複合版として使用するなどして、幅広い吸音率に対応する事ができます。
その他に、耐火性耐朽性など、内装材としての性能も兼ね備えています。


壁面は面積が広いのでしっかりと断熱リフォームをしておきましょう。
断熱は一部だけしても効果は高まりません。

壁や天井に加え、窓の断熱も忘れずに対策しましょう。

★断熱(結露とカビ)に関する他のコラムもあわせてご覧ください。

【結露とカビのメカニズム】

【壁の結露とカビ対策】

【窓の結露とカビ対策】



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