窓から見えるのは都会ならではの雑然とした景色、ならば光で景色を創ろう。
殺風景な中古マンションこそ、建築家ならではのアイデアと設計力で、新たな価値を。
ビンテージマンションにありがちな腰窓。一見するとデメリットとしか思えない要素ですが、ベランダに出るためにしつらえた踏み台に障子の敷居を設け、下から照らし出す照明を設置。
2つの窓が大きな一つの開口部のように見えるように、窓際に縁側のように大きく障子を設けました。
障子を開けると肌理の細かい障子から一変して、素材感のある化粧木毛セメント板が現れます。
この木毛セメント板は見た目の面白さだけでなく、断熱性能も向上させる優れもの。
障子で仕切ったことで生まれた空気層と共に、断熱効果をもたらせます。
【障子の活用アイデア:日本の知恵とマンションリフォーム】もあわせてご覧ください。
マンションならではの閉塞感を活かして、『窓』に意匠性を持たせて、『光』と『影』をデザインし、『空間』に広がりを持たせました。
「開けた空間」「閉ざした空間」 家具などの内なる要素は同じなのに、まったく違う姿を見せる。その秘訣は『日本の住まい』
素材選びは視覚の要素だけでなく、触覚や嗅覚など人の五感にもこだわってセレクト。
直接体が触れる個所はできるだけ天然素材にしたいとのお客様の考えから、床はナラの無垢フローリングをメインに、畳ゾーンも設けて、日本人の心に響くぬくもりのある空間を演出しました。
最新の分譲マンションには快適性はあふれているかもしれませんが、「住む人のストーリー」は育まれるのでしょうか。
マンションリフォームにとって「快適性」「機能性」を高める事は、それほど難しいものではありません。いかに住む人のセンスにあわせた「+α」を生み出すか・・・そこにリフォームプランナーのセンスがあらわれると思っています。
無二建築設計事務所は、『ストーリーのある空間構成』をモットーに、ぬくもりと洗練にあふれるマンションリフォームの設計をお届けします。